誉田 哲也 「月光」(徳間文庫)

登場人物

野々村涼子:同級生に、オートバイで轢き殺されてしまった少女。
野々村結花:お姉ちゃんの死の原因が何なのか??を探る為、亡きお姉ちゃんと同じ高校に進学をする主人公。
菅井清彦:野々村涼子をオートバイで挽き殺した犯人。鑑別所を出て今は、バイク店にて勤務。
羽田捻之:学校の音楽教師。過去では、野々村涼子に想いを乗せ、現代では野々村結花の協力者として登場。
香山瞬:菅井・涼子の同級生。卒業後は、モデルとして芸能界デビューを果たす。

あらすじ

野々村結花が都立棚林高校に進学したのには理由があった。前年9月、同校3年に在学中だった姉涼子が交通事故死したからだ。真っ白で、純粋で、誰にも同じように優しく接し、誰にでも愛された大好きな姉が、無免許運転の同級生のオートバイにはねられた。しかし、結花は信じなかった。-絶対に事故じゃない。お姉ちゃんは殺されたんだ-。真実を突き止めようと決意していた。

音楽教師・羽田稔之の協力を得た結花は、オートバイを運転していた菅井清彦を探し出す。分かったのは、涼子の笑顔の裏に隠された学校生活だった。学校内での不倫。それをネタに同級生に脅され、そして…。1年と少し前、棚林高校の音楽室にベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」が流れた瞬間からすべてが狂い始めた。涼子は事故死だった。だが、走ってくるオートバイの前に自ら立ちふさがったのだ。涼子が命と引き換えに守ろうとしたものは何だったのか。少年鑑別所を出て働き始めた菅井も、やがて何者かに命を奪われることになる…。

胸糞悪い小説NO1

正直・・・胸糞悪い小説は、嫌いではありません。またそんな本に対して、私は、免疫があると思っていました。
そんな私でも、胸糞悪くて途中で読書を断念しようかと思いました。
なんて胸糞悪い本なんだ。これが率直な感想です。そして暗い本です。ずーっと暗いです。最近、暗い本しか読んでいない気がします・・・笑

しかし、誉田ファンとしては読まないといけない本でもありました。
ストロベリーナイト(姫川シリーズ)など、カッコイイ女性を書くのが得意な人だと思っていました。
彼の作品に登場する女性には、何か暗い過去がある。その過去と向き合い、今を生きる、ひたむきな女性。みたいなイメージでした。

誉田哲也「ケモノの城」でも驚愕しましたが、あの本は、あくまでも実際に起きた事件をモチーフにされたモノだと理解して読みました。その為、多少表現を胸糞悪くする必用があったのだろうと・・・実際には、もっと胸糞悪い事件だったんだと、思いながら読みました。しかし今回は、フィクションです。ここまで胸糞悪くする必要があったのかは、不明です。笑

感想

好きな女性に対する「独占欲」も高校生がここまで行くのか??と疑問も多少残ります。ただ昭和初期の時代設定であれば、「コンクリート殺人事件」みたいな本当に、胸糞悪い事件が起こった事も事実です。時代背景を意識しないと、少し現実味が無い設定だとも思いました。

うーん・・・これは、賛否両論真っ二つに分かれる小説だと思いました。万人受けする芸術・作品が多い中、ここまで突き抜けた作品を送り出せる誉田先生が素敵だと思います。読者の年齢によっても捉え方違うと思います。

しかし・・・うーん胸糞い悪い・・・これが率直な感想です。
映像化は、ならない作品だと思いますが、是非胸糞悪い作品が好きな方・興味ある方は、読んでみてください。

終盤誉田先生得意の流れに持って行きますが、時すでに遅しって感じでした。
唯一の救いは、野々村結花が、またピアノを弾けるようになった事ですかね。この世には、知らない方が、良い真実もあると教えて頂いた気もします・・・
女性は読まない方が良い作品です。もっと言えば理解不能の内容だと思います。