人魚の眠る家:東野圭吾

原作:人魚の眠り家/東野圭吾

あらすじ「ネタバレなし」

”夫の浮気がきっかけで距離感が出てきた30代夫婦。「娘の小学校受験が終われば離婚する。」話をまとめた翌日に思いもよらない出来事が。幼稚園の娘が不意の水難事故で脳死状態になり、臓器提供の判断を迫られる。ところが、夫妻は死を受け入れられず「生かす事」を選択し、最先端技術を使って三年の延命に成功。母親の娘に対する「生」への執着心が次第に関わる周りの人たちとの気持ちに温度差が出てきて、ときに翻弄していく。”

人間の死とは何か??

本当に面白い本でした。うーん・・・厳密に言えば、まったく面白くは、ありません。
暗いです。辛いです。とてもブルーになります・・・しかし、間違いなく読んで良かったと言える作品でした。
本を読む前は、タイトルだけを見て、ミステリー小説だと勘違いしてしまいました・・・もしくファンタジー小説だと思いました。

まさかここまで、社会派小説(考えさせられる作品)だとは、夢にも思いませんでした。
本を読んだのは、数か月前です。なぜこのタイミングで今更ブログかと言うと、映画も大変すばらしかったからです。
原作超えと言っても過言ではありません。この作品は原作を読んで、映画を見て完結出来る内容だと思いました。

原作ファンの人は映像を見るのが嫌な人も多いと思いますが、是非この映画は見て欲しいです。
やっとこの作品を読破した気分です。

「原作」「映画」両方で初めて完結出来る作品

何度も言いますが、小説ファンも、映画ファンも両方触れて欲しいです。
この作品は、両方触れて初めて完結出来る作品です。私も初体験でした。映画は、原作以上、原作未満・・・みたいな感じです。笑
原作には、原作しか描かれていないストーリーも多々ります。そのあたりを踏まえて映画を見ると、更に面白かったです。

更には、原作では分かりずらかった心理描写を役者さんが、とても素晴らしい演技で教えてくれます。やはり篠原涼子さんて凄いんですね・・・
堤幸彦監督の吸い込まれる映像もとても素晴らしかったです。別に大ドンデン返しがある訳ではなんでもありませんが、目を離せません。
あっそっちか!!と映画を見て思う場面もありました。まだまだ小説を読む力が弱いと実感しました。

20世紀少年・イニシェーションラブ・トリックシリーズなど、少し明るい映画ばかり作られる監督だと思っていました。
今後「十二人の死にたい子供たち」と言う映画も公開予定ですね。原作読みましたが、私はいまいちわかりませんでした。
死にたい子供たちが12人集まって集団自殺しようとすると、13人いて・・・みたいな設定です。笑

話を元に戻します。笑
まずは、映画の予告編を下記に添付します。これだけでまた思い出し感動出来ます。笑

映画「人魚の眠る家」予告編

原作と違い、映画(演技)の素晴らしさを実感

いやーやはり「演技」とは大変すばらしい技術ですね。
文章だけでは、分かりづらかった心理描写が映画を見て凄く分かりました。
それぐらい、この映画は、心理描写が複雑です。子を持つ親でも、意見が分かれる作品です。

どのような心理状況なのか、文章だけでは100%掴む事は難しかったです。
それが映画のおかげで凄く納得できるようになりました。やっと本を読み終えた感覚です。やっと読破した達成感が生まれました。
人間の死が脳か??心臓か??と言う有名な論点ですが、ここまで考えさせられた事はありませんでした。

現実主義の自分と、理想主義の自分で葛藤する事間違いなしです。

人間の踏み込んではいけない領域がある

この作品で、一番心に残っているのは、「人間が踏み込んでいけない領域がある」と言うセリフです。
この先人間は、更に文明を発展させるでしょう。もしかすると近い将来、不老不死の薬も発明されるかもしれません。
どんな病気にも効果がある、「万病薬」が誕生する可能性もあります。

どこまで、人間が踏み込んでいいのか??一度考える必要があるかもしれませんね。
後半、電気を使い脳死判定を受けている子供の表情を操作する描写があります。それを見て喜ぶ母親、それを見て不気味だと思う夫・・・
とても難しいですね・・・

人それぞれ意見が分かれます。そして答えもない問題です・・・

まとめ

無理矢理答えを出そうとすると私は、体温がある限り「死」ではないような気がします。
「脳死判定」を受けた人達の「臓器提供」の恩恵で生き永らえた人もいるかと思います。とても答えのない問題ですね。
だったら今後、臓器が作れる世の中になったらどうなるんでしょうか??そこは「人が踏み込んでいけない領域」なんだと思います。

でも・・・実際に自分の大切な人に臓器が必要だったとして、買える方法があるのならば、いくらでも払って買ってしまうでしょう・・・
うーん人間は・・・極論自分中心な生き物なのでしょう・・・

とても辛いストーリーですが、見て良かった。読んで良かった。そして両方触れて良かった。と思える作品です。
オススメです。どんな取材を行えば、このような作品が作れるのか不思議でなりません。
東野圭吾さんは自分の腹を痛めて、子を産んだんでしょうか??まったく理解不能です。

最後にはきちんと「光」を見せてくれる粋な締めくくりも、本当に素晴らしいと思いました。
原作→映画→原作がオススメです。
この作品に触れて、肚の底に重い何かを感じない人はいないでしょう。

調べたところ、日本には、作品に描かれているような家庭がたくさんあるそうです。
結局人間は、論理的な生き物ぶってますが、感情で動く生き物ですね。

暗い、重い映画を見たあとは、アクション映画でも見てください。
アクション映画オススメは下記です。