中途半端な高価格は百害あって一利なし

値段を「1割」上げるより、「100倍」にして新価値創造

先日ユーチューブを見ていると、ヒカキンさんがテーブルを購入し、納品される動画がアップされていました。
私が扱う「一枚板家具」が形はどうあれ、このような形でPRされる事を大変うれしく思いました。
もちろん弊社の商品ではありませんが、とても嬉しかったです。

なぜヒカキンさんは、150万もの大金でテーブルを購入されたのでしょうか??
屋久杉ファンだから??昔から一枚板テーブルが欲しかった??たまたま安くなっていたから??
私はどれも違うと思います。では??ヒカキンさんは、どこに150万円以上の付加価値を見出されたのでしょうか??

今日は、そんな事を考え、その答えが私が思うリアル小売り・一枚板販売・家具業界・地方創生のヒントがあると思います。

デフレからの脱却

アベノミクスのデフレ脱却制作に呼応し、ここ数年、値上げに取り組企業が増えています。
その結果、想定以上にお客様が離れ利益減少を被る企業も少なくない。
価格を引き上げる事自体が悪いとは思いません。今リアル店舗が考える事は、引き上げの幅が不十分だと言う事です。

我々家具販売の世界でもデフレは以前続いている。従来品よりも1割2割高い製品を出しても、なかなか売れないと状況です。この従来品よりも1割、2割高い製品の開発・販売に余念がない・・・これがリアル小売りが衰退する一番の原因だと思っています。

単価アップ

人口も減る中、集客・成約率に固執するのは危険だと誰もが思っています。
そこで全員が考える事が、「良い物を売ろう」単価を上げようと言う発想です。
この発想自体は大いに賛成ですが、単価アップの上げ幅が問題だと思っています。

例えば、弊社には、テーブル1枚3,000万と言う商品の販売実績があります。
1,000クラスであれば、定期的に販売の実績があります。100万から500万程度のテーブルではれば、日々売れている状況です。
ヒカキンさんが購入されたクラスの一枚板は、日々売れています。日本全国・世界どこでもです。

では、通常テーブルの市場価格はいくらでしょうか??
数千円のモノから、数万円のモノ、中には、数十万円する商品もあると思います。
そんな中、「良い物を売ろう」と思った時、いくらを想定するかが問題です。

私は40万のテーブルを100台販売するよりも、4,000万のテーブルを1台販売する方が、簡単であると思っています。
昔から、「労多くして益少なし」と言います。まさにその通りです。今日本の「モノ売りの景気」が悪い理由は、ここにあると思っています。

リアル店舗のプライスが、ネットで販売されている価格の1割、2割増しです。
闘う理由がないマーケットです。意味がないマーケットだと思っています。
闘う必要がないマーケットで戦ってなぜ、儲かるのでしょうか??

ネットとリアルの一番の違いは、お客様のコントロール(自由)が利かない所にあります。
醤油が切れている事に気づき、買い物に行き、ついつい無駄なモノを買ってしまう。
予算10万と決めお店に行き、ついつい100万の商品を買ってしまう。

お客様の無駄使いと呼ばれる行動(コントロールが効かない行動)。これがリアル店舗の強みでもあります。
そう考えるのであれば、40万の予算でテーブルを買うつもりが、4,000万のテーブルをついつい買ってしまう可能性も、ゼロではありません

お客様が納得する付加価値

プライスは、高ければいいと言うモノではありません。
もちろんお客様が、その付加価値にご納得をして頂く事が条件です。
弊社が3,000万で価格を付けた商品は、希少価値が高い「イチイ」を一枚板で加工した長さ4Mの幅1Mの大型家具です。イチイは別名「アララギ」年輪が細かく、他の樹木にない優美な光沢を放ち、仁徳天皇が笏(しゃく)を作らせ「正一位」を授けたのが、名の由来との説もある銘木です。

数百種類ある木材の中で唯一、木材の名前の中に(木)と言う漢字が入っていません。
またこれだけ、イチイ(一位)の木で大きなモノは大変珍しく、今後手に入る見込みはありません。
そんな商品を、一枚板専門店の弊社で、末永くお世話させて頂きます。もちろん不要になれば、弊社で買い取らせて頂きます。

上記が、イチイ(一位)一枚板テーブル¥4,000万円の付加価値の例です。※もちろん目からの情報もたくさんあります。
そんなモノは、欲しくない。それにしても、4,000万は高すぎる・・・そんな付加価値では、買えない。そう言う人がほとんどだと思います。
しかし、残念ながら実際に販売の実績があります。

他にも、樹齢1,000年の屋久杉のテーブル長さ1800㎜奥行1,000㎜のテーブルを大塚家具様から購入する。
価格は150万です。この付加価値で買う人がいるのかどうか??です。
これも実際に購入された方がいます。それが、冒頭に説明したユーチューバーのヒカキンさんです。
まずは動画をご覧ください。

ヒカキンTV(樹齢1,000年の屋久杉一枚板テーブルにまるお&もふこ大喜びwww「新居・家具」)

ユーチューバーのヒカキンさんが、1,000万の屋久杉一枚板テーブルを購入した理由

多分ヒカキンさんにとっては、ただの「話題作り」です。
話題の大塚家具様から樹齢1,000年の屋久杉の一枚板を購入する。それを動画にアップする。これが付加価値です。
我々には、理解できない付加価値が購入されたのだと思います。もちろん少しでも大塚家具様の力になれればと思う気持ちもあったと思います。

付加価値の多様化

このように付加価値の考え方も、多様化してきています。
お金が、余って、余って、困っている人もいます。これも現実です。
2017年1月、NGO(非政府組織)オックスファムは、下位36億人分の資産額と世界の大富豪8人の資産額が同じだとする報告書を作成し、富の偏りが、異常なレベルにまで進んでいる実態を明らかにしました。

良い・悪いは、別として。裏を返せば、「超ど級の金持ち」が、これからも増えてくると言う事です。
この「超ど級の金持ち」にお買い物をして頂く事が、何よりも世界の景気を良くする秘訣ではないでしょうか??

大衆・・・この言葉には、もはや力がない、格差が開いては、大衆に力がなく、意味も持っていない事が証明されました。
※あくまでも経済上での話です。
単純に考えると、大衆向けの商売(36億人)と上位者(8名)に対する商売には、同じ可能性があると言う事です。
良い。悪い。ではありません。一つの考え方としてある。と言う事だけ認識して欲しいです。

極端な例でしたが、では、富裕層をターゲットにした商売とは、どんな商売でしょうか??
単価をアップさせると言う手段は、どこを想定したモノでしょうか??これを良く考える必要があります。

注意点は、「この価格100倍戦略」は、極端な事例であり、多くの産業でも通用するとは到底言えない現実も理解しています。

中途半端な価格設定は、百害あって一利なし

「中途半端な高い価格設定をするくらいなら、もっと大胆に高めの値付けをして、その分、新たな価値を創造した方が、今の時代は活路が開ける」と言う考え方自体は、他の商品、産業でも有効であると考えます。

価格3,000円のかき氷・価格数万円のランチ・価格数億円の腕時計・価格数兆円の宝石が現に社会の存在している事は事実です。
そして、その圧倒的高価格に魅了され、集まる人がいる事も事実です。

「騙す」ではなく「化かす」と言う精神

付加価値を付ける方法も多様化しております。
先日道端に落ちているゴミを1,000円で販売して人がいます。キングコングの西野さんです。
方法はいたって簡単です。ゴミを1,000で買った事が可視化された、パネルを用意したそうです。

購入者は1,000のゴミを買った事をSNSに投稿します。
これが、販売者と購入者の利害関係が一致した付加価値です。
少し極端な例を出していますが、それぐらいの頭の柔軟さが大切です。

ゴミを千円で売る。これは、テーブルを4,000万で売る。これの非ではないぐらい高単価アップです。
もともと、0.00000000000000000001円も価値無いモノが、1,000円で売れたと言う事です。
凄まじい事を西野さんはやってのけたのだと思います。

さぁーて。では、みんなでゴミを売ろう。と西野さんは、伝えたかったのではありません。
今までの価値観の付け方以上に、価値観の多様化が生まれている事を実践で教えてくれたのだと思います。

商売はこのような事が起こっています。
宝石・木材・石・石油・宗教・ゴム・ほとんどが極端に言えばゴミです。
いかに「化かす」事が出来るかが商売のポイントだと思っています。

お客様を騙してはいけません。しかし、商品として「化かす」変化させる事は大いにやって良い事です。この世で純粋に価値があるモノは食料だけなのかもしれませんね。
それ以外は大小はあれど、「化かされた」商品であると言う事です。

通常価格の5倍から10倍ゾーンに勝算がある。

現実的な事を考えるとここに商売のミソがあると思っています。
通常500円のたこ焼きを、800円で売ろうとしても魅力ありません。
それが、500円のたこ焼きとりも数段美味しく、そこにどんな企業努力があったとしてもです。

2,500円のたこ焼き、5,000円のたこ焼き、ここで初めて魅力に変わるのだと思います。
では、そんな高価格のたこ焼きを作る為には何が必要か??を逆算して考える事が大切です。
中にキャビアを入れるとは、幼稚な発想ではありません。
たこ焼きを食べる空間までもプロデュースする必要あるでしょう。

私は、市場価格の5倍から10倍ゾーンにリアル小売りの勝算があると思っています。
そして、その価値を生み出す事を出来るのは、リアル小売りだけだと思っています。
通常の概念・価値観で行けば1割~2割の値上がりは死活問題になります。

では、1割~2割高い新商品を追加した所で結果は見えています。
そこで私が考え方として、持っていて欲しいのは、通常価格の5倍から10倍ゾーン戦略です。
是非一つの手段として検討して頂ければと思います。

なぜユーチューバーのヒカキンは、150万のテーブルを買ったのでしょうか??
ここに、今後のリアル店舗の活路があるのではないでしょうか??